20170322

 

この、時間を分刻みで削るように消費する社会の中で、より速い交通手段を用いることは殆どの場合ベターな選択とされ、時間のかかる交通手段は無駄と言われかねない。つまり時間の無駄だと。

それが安価であるとしても、多くの人がお金より時間を取る。

なんだかこのまま「モモ」の話にもっていけそうなところでもあるけれど、今日はそうはせず進める。

 

 

わたしが毎度毎度、時間のかかる交通手段をとる理由は、

吝嗇であることや乗り物に揺られるのが好きということ、時間が長くなるほどに旅している気持ちが得られることもそのうちに挙げられるとはいえ、それ以上に時間を存分に満喫したいからかもしれない。

人はこの行動を時間の浪費行為と呼ぶが、つまりその裏を返せば時間を贅沢に使いたいということだ。時間を好きなだけ無駄遣いできる。それも、身動きの取れぬ閉鎖空間であるとはいえ、自分の好きな使い方で。

 

音楽を聴くもよし、車窓に流れる景色を見るもよし、乗り物を感じるもよし、本を読むもよし。

この四つを同時に行う時に訪れるその満足感は、まぁ分かる人には分かればよい。