海沿いに、黒い礼服に身を包んだおじいさんと、作務衣を着たお坊さんとが見えました。
おじいさんは杖で体を支えながら、そうしてようやく椅子に座りました。
お坊さんはおじいさんを気にかけた後、振り返ってしばらく海を眺めていました。
こんな風景が目に入って、
なんかこう、胸に一筋、何かが伝っていったような。
目にした時間は一分とありませんでしたが、それでも何かが心に残りました。
その何かが一体何なのか、何の感情に分類されるのかは自分でも分かっていません。
自分の感情のすべてを未だ把握出来かねている今現在。
未だに分からぬことばかり。